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重婚的内縁関係にある内縁の妻が遺族年金を請求したが棄却された事例2

平成22年(厚)第60号

【主文】
本件再審査請求を棄却する。

請求人:内縁の妻
利害関係人:戸籍上の妻
A:夫

以上の認定事実によると、亡Aが利害関係人及び子らのいる自宅を出奔して所在不明となったのは、地区の役員をしていて公金を着服してしまったことと、多額の借金があったことが原因であると認められ、利害関係人との婚姻関係が破綻状態にあったというような問題があったからではなかったのであり、このことは、亡A出奔後に利害関係人も居づらくなって、転居したことからも了解可能である。

しかして、請求人は、亡Aを受け入れて同居を始めるに際し、亡Aから、「利害関係人から家を追い出されたとか、夫婦関係は破綻している、離婚届に署名して渡してきた」ということを聞いていた旨陳述するのであるが、上記認定事実に照らして、その陳述をそのとおりには信用することはできないし、仮に、亡Aがそのような話を請求人に対してしたことがあったとしても、女性の許に転がり込んで世話になる男がその女性に話したことであって、それが真実の話であるとはにわかに認めがたい。

しかして、亡Aは、平成○年ころに、長男であるBの名義で借金をしており、同年末ころからは、利害関係人と1か月に1、2回の頻度で面接交渉しており、その際には、婚姻費用の分担と解される金銭給付として、○万円程度の金銭が利害関係人に渡されていることが認められるのであり、これらのことは、亡Aと利害関係人ら家族との間には、決して太くはないが、夫婦の協力扶助関係(民法第752条)及び直系親族の相互扶け合いの関係(民法第730条)の関係が維持されていることを示すものというべきである。

もっとも、平成○年○月以降は、その面接交渉も金銭給付も途絶えていたと認められるのであるが、それらは、亡Aの胃がんによる入退院及び利害関係人の脳梗塞発症という面接交渉を妨げる事情が生じたからであると認められるのであって、亡Aと利害関係人との間に、婚姻関係を解消するとの合意の存在も認められず、亡Aも、Bから切り出された離婚についてはこれを否定する返答をしており、亡A及び利害関係人の双方において婚姻関係を維持継続しようとする意思を放棄したと認められるような事情をうかがうこともできないのである。

以上の事情を総合考慮して判断すると、亡Aの死亡の当時、亡Aと利害関係人との婚姻関係が実質を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化していたものと認めるには足りず、上記認定の亡A作成に係る「ゆい言書」の記載内容は、上記認定判断を覆すに足りず、他に上記認定判断を覆すに足りる証拠資料はない。

以上の認定及び判断の結果によると、第2の問題点について判断するまでもなく、請求人は、厚年法第58条第1項第4号、第59条第1項所定の亡Aの死亡当時亡Aによって生計を維持した配偶者に当たらないと認められるから、原処分は相当かつ妥当であって、これを取り消すことはできないから、本件再審査請求は理由がない。

よって、主文のとおり裁決する。

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