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【遺族年金】内縁関係というよりは、男女関係の側面が強いとして棄却された事例

公開日: 2015年8月11日 更新日:2018年12月13日

■平成19年(厚) 第183号
 
【主文】
本件再審査請求を棄却する。
 
【本件の問題点を検討し、判断する】
(1)請求人と亡Aの各身上・経歴等は1の(1)・(2)で認定したとおりである。
 

そして、両者が知り合ってからの関係について請求人が述べるところは1の(3)のとおりであるところ、1の(4)で認定した各種の客観的資料と、同(5)で示した第三者の供述などにかんがみるならば、それは大綱において肯認できるものと見ることができる。
 
そうすると、請求人と亡Aとは、昭和○年頃から平成○年○月の亡Aの死亡に至るまで長期間にわたる継続した婚姻外の男女関係にあって、互いの住居に寝泊まりしたり、特に亡Aが○○○を退職した後は請求人もかなりの時間を亡Aの住居で同人と共に生活していたとうかがわれること、そして、両者いずれについても婚姻歴はなく他に異性関係があったことをうかがわせる資料もないことなどを考えると、請求人と亡Aとは事実上の夫婦であり、請求人は亡Aのいわゆる内縁の妻であったとする見方もあり得るところかもしれない。
 
(2)しかしながら、
 
①婚姻の届出を妨げる格別の外的要因も見当たらないにもかかわらず、遂にそれがなされることがなかったこと、請求人は亡Aがいい出すのを待っていたとのことであるが、亡Aはいい出すことのないまま亡くなったのであり、同人には婚姻の意思が全くなかったといわざるを得ないこと、
 
②互いの住居に寝泊まりしたり、請求人が亡Aの住居で同人と生活を共にしたりすることがあったにしても、両者は互いの仕事や勤務地などによる都合のあるときはともかくとしても、そうでない場合においても長年月にわたる交流期間を通じて、終始それぞれの住居を保有し、それを自らの生活の本拠とする社会生活を営んでいたと見ることができること、請求人は、○○のアパートから離れることができなかった所以を縷々述べているが、それはまさに亡Aの○○マンションなどの住居が同人との生活の場で、その限度では請求人にとっても生活の本拠という側面がなかったわけではないにしても、少なくともそれと同程度、あるいはそれ以上の意味合いで○○のアパートこそ請求人にとっての生活の本拠であったことを示しているというべきであること、
 
③経済的な面においても、請求人は亡Aから継続的に相当金額の援助を受けており、それを同人との暮らしのために使うことがあったにしても、基本的にはそれぞれが独立した家計を営んでいたと思われること、
 
④住居内や近隣の店舗などのごく限られた範囲ではともかく、亡Aと請求人は亡Aの実兄・実姉等の親族に対する関係とか、亡A・請求人それぞれの仕事や付き合いなどの生活圏等において、請求人が付き人をしていたBとの関係を除いては夫婦として行動したり、あるいは夫婦として遇されたといった状況はうかがえないこと、
 
⑤請求人がBの付き人の仕事に従事していた時期はもとより、その後においても請求人が社会保険などの公的事項で亡Aの配偶者や被扶養者として処遇された形跡はないこと、
 
以上のような事情が指摘できるのである。
 
(3)以上を総合勘案するならば、亡Aと請求人との関係は、現行法の下における婚姻制度が想定している各種の権利・義務を伴った婚姻共同体としての夫婦というよりは、そのような束縛から離れたところで結びついていた男女関係の側面が強いものと考えざるを得ないのであり、社会保険適用の場面においても、請求人をもって法第3条第2項の定める「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」と認めることはできないと解するのが相当である。
 
3.以上のとおりであって、請求人は亡Aの死亡当時、同人と事実上の婚姻関係と同様の事情にあったと認めることはできないから、請求人に遺族厚生年金の支給を認めなかった原処分は妥当であり、取り消すことはできない。
 
4.よって、本件再審査請求を棄却することとし、主文のとおり裁決する。

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