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住所は別だったが〇〇荘で共同生活を行っていたことが認められた内縁の妻の事例

公開日: 2019年10月25日 更新日:2020年4月 8日

【社会保険審査会裁決事例】※当センターがサポートした案件ではありません。

平成25年(厚)第1612号 平成26年9月29日裁決

主文 厚生労働大臣が、平成〇年〇月〇日付で再審査請求人(以下「請求人」という。)に対してした、厚生年金保険法(以下「厚年法」という。)の規定による遺族厚生年金を支給しない旨の処分を取り消す。


事案概要


亡Aが死亡したため、事実上の妻であるとして、請求人が遺族厚生年金を請求したところ、「受給権者の死亡当時、その者によって生計維持されていたとは認められてないため。」として不支給になった処分を不服として、社会保険審査会に対して再審査請求をした事案。

内縁関係で住民票の住所は別のケースになります。

争点


亡Aと請求人が、亡Aの死亡当時同人によって生計を維持した配偶者(事実婚関係にある者)と認めることができるかどうか、ということ。


結論


請求人は、亡Aの死亡当時同人と婚姻関係と同様の事情にあった者であり、かつ、同人によって生計を維持していたものであるから、同人の死亡による遺族厚生年金の受給権を有することになる。よって、請求人に対し遺族厚生年金を支給しないとした原処分は妥当ではなく、これを取り消すべきである。


 本案件のポイント


本案件のように内縁関係(事実婚関係)で、住民票の住所が別の件については、請求人が以下の要件の(ア)、(イ)のいずれかに該当する必要があります。

(ア) 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(イ) 単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっている
  が、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき

 (a) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
 (b) 定期的に音信、訪問が行われていること


本案件については、以下のことがポイントとなりました。

・請求人が借りていたアパートは、日常的に使用されていた形跡が認められない
郵便物の宛先
・担当ケアマネージャー及び亡Aの陳述
・請求人に収入はなく、亡Aからの経済的援助として、毎月生活費に使った分をもらっていたことが認められる
・亡Aの療養及び症状の経緯についての日誌及び連絡帳がある。

以上のことから、上記認定基準の(ア)の「現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき」に該当すると判断されました。

本案件のように、お互いの住民票の住所が別で、認定基準の(ア)に該当すると認められるには、

夫婦同然の関係であったことの証明と、住所は別だが一つの住居で共同生活を送っていたことを証明する資料が必要となりますので、これらの資料を持っていないか、今一度、探されてみてください。


【社会保険審査会裁決より抜粋】

 本件の場合、亡Aと請求人の住民票上の住所は異なっているが、上記1で認定したとおり、請求人の借りていた○○アパート○○は、日常的に使用されていた形跡が認められてないことに、郵便物の宛先、担当ケアマネージャー及び亡Aの陳述を併せれば、昭和○年○月ころから亡Aが死亡するまで、亡Aと請求人は、○○荘○○号室で同居していたもので、請求人の収入はなく、亡Aからの経済的援助として、毎月生活費に使った分をもらっていたことが認められ、子供達も独立し、そろそろ入籍を考えていたところ、平成○年○月に亡Aが病で倒れてしまったものであり、その後の亡Aの療養及び症状の経緯については、上記1の(15)の日誌及び連絡帳に記載されている。
 これらから見て、請求人と亡Aは、住民票上は別住所であったが、現実には、同居し、互いに協力、扶助の関係にあったと認められ、上記認定基準アの「現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしている」場合に該当するものと認めることができる。したがって、亡Aと請求人は、亡Aの死亡当時、○○荘○○号室において、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとの合意の下に、夫婦と同様の共同生活を営んでいたものと認めるのが相当である。

 


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